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それは、東北に拠点を置く地方銀行からのお問合せでした。地元企業への金融支援を行うにあたって、同企業が経営するホテル事業を不動産を含めて売却したい、という相談でした。もちろん当社の事業は不動産仲介がメインですが、そこに事業譲渡が関わることも珍しくなく、総合的なサポートにも積極的に取り組んでいます。大切な資産の売買仲介を担うという意味においては、私共のスタンスは同じですし、また、事業のスポンサーとなり得る企業や投資家、ファンドの方々も日頃お取引きのあるお客様方です。
担当したのは、金融機関や弁護士・会計士の先生方とのパートナーシップを展開するチームの松尾尚之です。今回の相談は、松尾のチームが全国の金融機関にお送りした不動産情報を求めるDMがきっかけでした。
「最初、お話をうかがった時は、今までの不動産仲介のノウハウや経験だけでは対応できない、事業譲渡の関わる売買仲介の難しさに気づきました。スキームの難しさもありますが、当該ホテルの収益基盤や立地条件のマイナス面がスポンサー探しに影響するかもしれないという懸念もありました」(松尾 尚之 以下同)
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加えて、売主であるホテルの経営者様のご要望にどこまでお応えできるかも今回のポイントでした。ホテル業務を円滑に引き継ぐこと、従業員の雇用を確保すること、スポンサーは国内の企業であること、などです。
「経営者様は、地元でも屈指の有力企業です。歴史もあり、地元の方々からの信頼も高いこともすぐにわかりました。その信頼とブランドを大切にするために、スポンサーの募集・紹介は、すべて東京で行うことにしました」
松尾たちは、かつてホテルを購入した実績のある企業やファンドなど、有望な候補者に事前打診を行い、選定入札方式で参加を求めました。しかし、条件の厳しさからか、最初の入札は不調に終わったのです。
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ふりだしに戻った松尾は、以前取引していただいたこともある個人投資家のお客様へ相談します。その後興味を持たれたお客様から、ホテル事業への取り組みを検討しているという企業を紹介していただくことに。
「その企業様はホテル経営にとても前向きで、東北地方を足がかりにしたいとの希望をお持ちでした。さらに、経営者様のご要望もすべてお受けいただけるということで、話は急進展していったのです。ホテル業務のオペレーションは専門業者が行い、従業員も引き続き活躍できるということで、経営者様も安心されたようです」
結果的には不動産の売買の枠を越えて事業譲渡メインの取引となりました。松尾は、顧問弁護士の先生とも相談しながら必要書類を作成し、契約に向けた詰めの作業を行っていきます。
「事業譲渡やM&Aでは、不動産の売買仲介とは違った視点で、極めて中立的な立場に立つことが大切です。私共はあくまでも調整役に徹することに努めました。そのために、ミーティングの機会を多くもちました。電話での行き違いを防ぎたかったので、直接お伺いすることを重視しました。それは関係者の方々との信頼関係を築くことにもつながったようです」
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契約までにいたる作業もスムーズに進み、結果、銀行からホテル経営者様への金融支援も滞りなく実行に移されました。今回の事業譲渡の実質的な主導者だった銀行のご担当者からも、「東急リバブルにお願いして良かった。温情のある事業譲渡ができたことに感謝しています」との言葉をいただきました。
「制約のある中でのスポンサー探しは厳しい作業でしたが、経営者様のホテルに対する思い入れや、従業員も大切にしたいというお考えを実現でき、本当に良かったと思います。同銀行からは、新たな事業譲渡の案件のご相談も指名でいただけるなど、今回のケースは銀行との信頼をも深めることができました。これを契機に、東北エリアにおける当社の事業展開も拡大していきたいと思います」
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