※こちらの記事は、「日経ビジネス(11/27号)」 「東洋経済(12/2号)」 「ダイヤモンド(12/2号)」「日本経済新聞朝刊第二部(12/13)」にて掲載されたものです。

東急リバブル株式会社 ソリューション事業本部 ソリューション事業統括部 公共セクターに“民”の活力を今、必要とされる革新的な不動産ソリューション

不動産仲介大手の東急リバブルは、近年、不動産ソリューション事業においても着実に成果を上げている。中でも注目に値するのは、公共セクターの資産売却支援事業だ。財政健全化のためになすべきことはなにか。三重県知事時代に行財政改革に尽力してきた北川正恭氏と、東急リバブル・ソリューション事業本部・ソリューション事業統括部・取締役統括部長の北川登士彦氏が、官・民で取り組むべきイノベーションについて語り合った。


―小泉内閣による「三位一体改革」の流れを受け、地方自治体など公共セクターの財政健全化が急務であると言われていますね。
■北川教授 周知のとおり、もはや地方自治体の財政は危機に瀕しています。情報非公開や公物管理法による規制のもと、長年にわたって「公共事業は官がやるもの」という意識が働いたため、借金が膨れ上がってしまったわけです。加えて、国が描いた設計図に従って管理することばかりに主眼が置かれ、民間企業では当たり前である費用対効果の徹底がなおざりにされた結果、生活者の視点にたった行財政運営が行われてきませんでした。しかし、これからは単に“管理”するだけではなく、情報公開のもと、透明性の高い“経営”が何よりも求められています。そのために、例えば単式簿記を複式簿記に変え、単年度会計を複数年度会計にするといった公会計改革は当然必要になってくるはずです。まさに「出を計りて入を制す」から「入を計りて出を制す」という経営に生まれ変わる必要があるのではないでしょうか。 左:早稲田大学大学院公共経営研究科教授 北川 正恭 氏、右:東急リバブル株式会社ソリューション事業統括部取締役統括部長 北川 登士彦 氏
 今までのように他人(国)の財布で他人(国)のための仕事をするのではなく、自分(地方)の財布で自分(地方)のためにという、まったく新しい発想が求められているのです。
■北川取締役 そうですね。もはや小手先の「改善」だけでは、たちゆかなくなっているのは明白です。今こそまさに抜本的な「改革」が必至であると思います。
 事実、不動産の分野でも地方自治体を中心に、こうした「改革」の機運は高まりを感じます。当社にも不動産を保有し続けるべきか、あるいは売却すべきかといった評価依頼が急増しています。昨年度、当社が行った公共セクターの資産査定件数は300件ほどでしたが、今年度はすでに依頼も含めて600件を超えています。公共セクターが「人」「金」だけでなく「物」をいかに効率的に経営するかに注目し出した結果だと思います。


―では、地方自治体が抱える不動産についてどのような問題があり、またどのような解決策が求められているのでしょうか。
早稲田大学大学院公共経営研究科教授 北川 正恭 氏
■北川教授 従来の地方自治体の関心事といえば「人事」と「予算」でしたが、今後は立ち位置を変えて、保有するインフラをいかに好条件で売却するかという視点も重要になると考えます。もちろん、売却だけが選択肢ではありません。例えば、道路や橋、トンネルといった自治体の保有する資産を、運用や投資の対象として有効活用することも可能です。それにともない、ネックとなる公物管理法についても、根本的に見直すべき時期を迎えていると言えます。
 インフラを資産として有効活用することによって、15〜20%の経費をカットできるのではないかと思います。となると、改革の常とう手段とされていた人的なリストラをせずに、むしろ人材を有効活用できる道がひらけるかもしれません。
■北川取締役 そうですね。また、この問題は「地方をどう活性化させるか」というテーマにもつながっていきます。このテーマに着手するには、住民や民間企業、金融機関、研究機関などによる連携が不可欠であると思います。
■北川教授 おっしゃるとおり、100年、200年先を見据えて、景観や環境にも配慮した街づくりを推し進めるには、産・官・学の連携が欠かせませんし、自治体は多様な主体の一翼を担うような位置づけへと変わるべきです。また、「公金を使っているのだから、安ければ安いほどいい」という発想から抜け出し、地域のステークホルダーが情報公開のもとで徹底的に議論し、もっとも最適な価格で費用対効果の高い事業を行っていくようなルールが確立されるべきでしょう。


―では、不動産のソリューションビジネスにおける東急リバブルの強みとは?
■北川取締役 資産を所有し続けるべきか否かの判断は、変化するマーケットにおける所有資産の価値の変動を十分考慮する必要があります。不動産の価値は同じ時点においても一定ではありません。使用者によってその利用価値は大きく異なります。また資産売却をする場合も、リスク管理・売却する資産ポートフォリオ・マーケットの動き等を十分把握した上で戦略的に売却するノウハウが求められるのです。当社のソリューション事業本部は、不動産評価スタッフや法令等調査スタッフなど総勢270名体制で、北海道から沖縄まで、全国136ヵ所の「リバブルネットワーク」を活かし、変化の激しい不動産売買市場に対応しております。これらの実績が評価され、お陰様で旧郵政公社資産、旧道路公団資産、年金・健康保険福祉施設整理機構資産など、公共セクター所有資産の売却アドバイザー業務の依頼が増えております。
 さらに、産業再生機構との連携では、ダイエーさんやカネボウさんから資産売却業務を専属受任し、全国に点在する数多くの資産売却を一手にお任せいただくなど、官・民共同の試みにおいても、高い評価をいただいております。今後発生する政府の資産処理、それに続く地方公社や第三セクターを含む各自治体の資産処理などの際には、私達東急リバブルがこれまで培ってきたノウハウを十分に活用していただきたいと思います。
東急リバブル株式会社ソリューション事業統括部取締役統括部長 北川 登士彦 氏
■北川教授 地方自治体にとっては、まさにこのような民間の活力が望まれていると言えるでしょう。今後はステークホルダーの一員として両者が知恵を出し合いながら、効率的な不動産ソリューションが推進され、財政改革が実現されていくことを期待しています。


北川 正恭氏
1944年生まれ。1967年早稲田大学第一商学部卒業。1972年三重県議会議員当選(3期連続)、1983年衆議院議員当選(4期連続)。任期中、文部政務次官を務める。1995年、三重県知事当選(2期連続)。「生活者起点」を掲げ、ゼロベースで事業を評価し、改革を進める「事業評価システム」や情報公開を積極的に進め、地方分権の旗手として活動。達成目標、手段、財源を住民に約束する「マニフェスト」を提言。2期務め、2003年4月に退任。現在、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)代表。


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