※こちらの記事は、「日経ビジネス(2008.3.17発行号)」と「日経ベンチャー4月号」にて掲載されたものです。

東急リバブル株式会社 ソリューション事業本部 ソリューション事業統括部 豊富な買い手情報と確かな資産査定能力 調整局面でこそ強みを発揮する売却支援

東急リバブルの不動産ソリューション事業は、不良債権処理や事業再生への支援から生まれた。顧客の抱える経営課題を、不動産の売却・活用・購入を通じて解決していく。事業展開で培ってきたのは、買い手に関する豊富な情報量とデューデリジェンス(資産査定)の確かな力量。不動産市場が調整局面を迎える中で、強みを生かして売却支援に一段と力を入れていく方針だ。同社取締役常務執行役員の北川登士彦氏にその事業戦略を聞いた。

東急リバブル 取締役 常務執行役員 北川登士彦

――御社の不動産ソリューション事業の強みはどこにあるのでしょうか。

■北川 私たちの強みは、顧客の不良債権処理や事業再生を支援する過程で蓄積された情報の量と質です。処分の対象になった全国のオフィスビルから、住宅、ホテル、ゴルフ場、山林に至るまで、あらゆる不動産に関して、価値を最大に認めてくれる買い手はどこにいるか探ってきました。この買い手情報が、私たちの最も価値ある財産だと言えます。



確実な買い手の情報をまず量として確保する


――市況の変化で買い手像には変化が見られますか。

■北川 金融機関の融資姿勢が変わってきたことから、積極的な投資ができるプレーヤーは限られてきています。以前は誰もが融資を受けることができ、買い手になることができましたが、今はそうはいきません。手元資金のある確かな買い手を見つけ出す必要があります。

――具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。

■北川 買い手情報でまず重要なのは「量」です。不動産を売りたいというお客様のご要望に的確に応えるためには、確かな買い手情報を十分にストックしておく必要があります。売却の意向を受けてから買い手を探すのではなく、「売りたい」というご要望を受けた段階で確かな買い手情報を紹介することができなければ、真のソリューションサービスとは言えません。

東急リバブルでは、日本全国に広がる情報ネットワークを駆使して、「現実の買い手」情報を大量にストックしています。ただし情報は古くなっては価値がありません。常に更新され、しかもそれが組織全体で共有されている必要があります。そうした考えのもと、情報のさらなる充実を図るため、これまで取引のなかった先にも新たなアプローチを始めています。

この4月には、当社独自の顧客情報システムを稼動させます。取引履歴や所有資産など不動産に関する情報を顧客ごとに整理したもので、リアルタイムで情報を更新・活用できる仕組みです。これにより、不動産情報で最も大切な「精度」と「スピード」を大幅に向上させます。

――確かな買い手情報が豊富にあるからこそできるサービスにはどのようなものがありますか。

■北川 一つ具体例を挙げましょう。近年、公共セクターを中心に財政再建に伴う不動産の売却ニーズが高まっています。こうした公共セクターの売却リストには、様々な種類の不動産が含まれており、商業用地もあれば住宅用地、リゾート、山林もあります。こうした物件を個別に売ろうとしても、どうしても売り切れない物件が出てきます。例えばマンションデベロッパーの方は、営業テリトリーにある開発用地は購入・活用できても、それ以外の物件はたとえ購入しても持てあましてしまいます。多種多様な不動産について確かな買い手情報を持っている私たちは、こうした売却ニーズにも一括(バルク)購入で応えることができます。



調整局面だからこそ重要性増す査定能力


――海外の投資家が、国際的に見て割安感のある日本の不動産に熱い目を向けていると言われています。

■北川 昨年5月から、韓国の投資家の方々に対して、日本での不動産投資について説明するセミナーを開催しています。好景気と通貨高で、韓国では今、不動産価格が高騰しています。こうした流れを受けて、海外、特に日本の不動産に熱い視線を注いでいます。韓国に限らず、日本の不動産に対する海外投資家の評価はいまだに高いものがあります。こうした買い手情報も今後さらに充実させていく予定です。

また、私たち仲介会社は、不動産投資にかかわる各プレーヤーと等距離にあります。この立場を生かし、国際化の進む市場やお客様のニーズに合った、新たな仕組みと投資機会をご提供してまいります。

――市場が調整局面に入って、不動産価格にも大きな変化が見られます。

■北川 不動産取引を成立させるうえで大切なのは、いかに的確に実勢価格を把握するかということです。また、将来にわたっての正しい価値判断も求められます。これは不動産鑑定評価とは異なります。数多くの取引実績に基づく鮮度の高い価格情報が欠かせません。

当社ではソリューション事業本部内に、不動産精査の専門家を集めたインスペクション(調査)センターやバリュエーション(査定)センターを置いています。これらの専門家が同じ事業本部に属する営業部門と連携を取りながら、対象となる不動産の価値を見極めたうえで、市況の変化を踏まえた的確な評価を下し、お客様の不動産戦略の実現をバックアップしてまいります。

――最近の市況を踏まえたアドバイスがあれば、お聞かせください。

■北川 売り手の立場に立って言えば、これまでのような売り手主導による取引は難しくなりつつあります。確かな買い手情報と高い査定能力に基づく効果的な不動産ソリューションがより一層強く求められます。東急リバブルは、お客様が求めるこのような高度なソリューションをご提供してまいります。





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