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| ここ数年、リノベーションされた中古マンションがデザイナーズの付加価値を付けて、相場より高く取引されている。また、大手企業が古い自社ビルを住居用にコンバージョンし、結構な家賃収入を得られる賃貸マンションにする例も見受けられる。リノベーションとコンバージョンは、今後の建物蘇生のキーワードともいわれ、年々、動きが活発化している。今回は、「土地」そのものから少し離れて、「建物」が再生したケースを追ってみた。 |
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| 廃校をビジネスの視点をもって有効利用する提案 |
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2004年に開校した、東京都にあるIID(世田谷ものづくり学校、以下「IID」)をご存知だろうか。ここはいわゆる学校ではなく、各界クリエイターたちのための創業支援スペースとオフィス、コミュニティースペースが融合した施設、といった方がふさわしいかもしれない。建物は同年3月に廃校となった世田谷区立池尻中学校の再利用である。入居テナントは、企業からデザイナーまで各界のクリエイターが集まっている。
このIIDプロジェクトは2001年にインテリア事業を展開するイデーがまとめる形で建築家やデザイナー、不動産会社、そして金融機関の有志たちを中心に発足した「R-project」がきっかけとなり、後に法人化したイデーアールプロジェクト株式会社(昨年よりアールプロジェクト株式会社に社名変更)によって実現された。同社の「R」はRecycle, Recreation, Rethink, Redesign, Refine, Restoreといったキーワードの頭文字だという。都市経験を再生する、既にあるものを活かす、デザインの領域を再定義するという3点をテーマに掲げた都市再生のプロジェクトだ。
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| 今までも地方自治体が廃校をインキュベーションオフィスとして再利用した例は少なくない。だが、IIDの場合は、東京都では初めて民間主導の廃校利用プロジェクトとして発足したモデルだ。世田谷区へは中学校廃校決定にあたり、廃校後の利用や使用方法について100を超えるプランが寄せられたという。その中で、2004年7月に「R-project」が、5ヵ年にわたる定期借家契約権を得た。世田谷区は、世田谷らしい新たな産業と観光拠点を育むこと、創業に関する支援を行うと同時に創業の場を提供すること、ものづくり体験と交流の場を提供すること、これら3点を廃校利用の主軸に置いていた。民間が率いるIIDは、それに加えて事業として成立する仕組みも目指して開校されたのである。 |
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| 民間主導の短期成果モデルとなり得るか? |
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IIDは、その事業に対し「SOHOコンバージョン事業における融資の第1号」として日本政策投資銀行が融資を行っている。これにはアールプロジェクト社が持つ事業計画と5年という短期で投資回収できるだけのビジネス戦略が組まれている点が評価されているのだろう。その一方で、自治体との協働(同じ目的のために協力して働くこと 共同 協同でも可です)もはかり、学生のインターン体験の受け入れやワークショップの開催なども積極的に行っている。もちろん、世田谷区も区報や施設での広報などの協力体制を敷いている。同校は、民間と官のメリットをうまく利用して、入館者や利用者の増加を図っている例ともいえる。
昨年度の入館者は3万6,000人にのぼり、国土交通省所轄の財団法人都市みらい推進機構主催の「平成17年度土地活用モデル優秀賞※」、東京商工会議所主催の「勇気ある経営大賞特別賞」(受賞は「R-project」 )を受賞している。このコンバージョン事業は民間主導ながら、自治体とタッグを組んだモデルとして先進的な例として注目されている。
外観は中学校らしさをたたえたまま、この7月で開校から丸2年を迎えるIIDのビジネスがどう方向付けされていくのか、まだまだ話題は尽きない。
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全国に数多く発生している低利用・未利用値の解決策として、優れた土地活用事例を紹介し、普及を図る目的で設けられた賞 |
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