| 独自の理論と行動的検証─堅実な投資法の裏には波乱の私生活も |
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ベンジャミンは研究の成果をまとめ、著作活動に取り組むようになる。そこには大学の講義、投資家向けの講演、投資会社での実践などの成果も盛り込まれている。中でも、現在、投資理論書の古典と呼ばれ、ロングセラーとなっている「証券分析」(1934年初版)および「賢明なる投資家」(1949年初版)は、特に高い評価を不動のものにしている。
ベンジャミンとデビッド・L・ドッドの共著「証券分析」は、投資における数値的分析の重要性を提唱したもので、不朽の傑作と言われている。高度で専門家向けではあるが、そのエッセンスは一般投資家にも大きな影響を与えた。一方、ベンジャミン単独の著作「賢明なる投資家」は、一般投資家にも理解できるように分かりやすく書かれ、投資において大切な考え方や手法をアドバイスしてくれる。ここではバリュー投資※2や分散投資※3などが綿密なデータとともに推奨されている。積極的投資家や防衛的投資家などの立場に応じて書かれ、実践的だ。そのためか「賢明なる投資家」は“グレアム学派” 、“グレアム主義者”と呼ばれる経済学者たちによって現在も研究が進められ、何度も改訂版が出版されている。
ベンジャミンは数学的志向を持った人物だが、ギリシャやラテンの哲学や芸術にも造詣が深かった。そのせいか急に考え込んだり、放心状態になったりする傾向があり、車の運転は避けていたという。結婚生活に向いた性格ではなかったらしく、3度の結婚の末、晩年はフランス人女性と暮らした。この女性はベンジャミンの息子の元恋人だったという逸話付きである。投資と著作で財産を成してからは金銭的欲望から離れ、カリフォルニアで悠々自適の生活。その後南フランスでのんびり過ごし、1976年に82歳で永遠の眠りについた。
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| ※2…… |
真の企業価値よりも株価が割安に評価されているときに買う手法 |
| ※3…… |
いろいろな銘柄に資産を分散して投資し、リスクを軽減する手法 |
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参考文献/
『証券分析』 (ベンジャミン・グレアム+デビッド・L・ドッド共著 パンローリング刊)
『賢明なる投資家』 (ベンジャミン・グレアム著 パンローリング刊)
『マネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれた』 (ジョン・ トレイン 著 日本経済新聞社刊) |
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ベンジャミン・グレアム Benjamin Graham (1894-1976) |
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イギリス生まれのアメリカ育ち。コロンビア大学卒業後、ウォール街に職を得る。優秀な頭脳を駆使して数学的アプローチから投資を研究し、「バリュー投資理論」を構築。投資顧問会社を設立し、実践的検証に取り組む。著書には投資理論書の古典といわれる「証券分析」や「賢明なる投資家」などがある。
彼の言葉に「企業の業績が悪く、短期的見通しも暗く、市場全体に悲観ムードが漂い、株価が低いときこそ好機」、「投資にバランスシート以外は不要」などがあるが、実体価値分析と長期投資という姿勢があってこその至言である。 |
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