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「出雲」と言えば神々の国を思い浮かべる人も多いだろう。古代日本の神話の宝庫として知られる出雲では、興味深い神話が多く伝えられてきた。733年に完成したといわれる「出雲風土記」の国引き神話によると、「八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)が、出雲の国は狭く未完成の国なので、他の国の余った土地を継ぎ足して広くしようとした。そして、佐比売山(石見地方の三瓶山)と火神岳(出雲地方の大仙)に綱をかけ、『国来、国来(くにこ くにこ)』と国を引き、できた土地が現在の島根である」と、国の誕生にまつわる逸話が記されている。
また、奈良時代に著された「古事記」や「日本書記」に登場するスサノオや大国主(おおくにぬし)の神話は、この出雲が舞台となっている。神話にも登場する出雲大社は、縁結びの神様としても有名で、日本で最も古い神社建築の形式をもった伊勢神宮と並ぶ代表的な神社だ。 |
出雲エリアは神話だけでなく、日本三大蕎麦の一つ、「出雲そば」でも有名だ。玄そば(そばの殻つき)の挽きぐるみのそば粉を使っているため、そばの色が黒っぽいのが特徴的で、歯ごたえのある麺をしっかり噛んで楽しむという食べ方が出雲流。一番人気は「割子そば」だ。3段重ねで一人前とし、朱塗りの割り子(重箱)に盛られたそばに、薬味のネギ、大根おろし、海苔などをのせ、だし汁をかけていただく。出雲では古くは、重箱のことを「割り子」と読んでいたが、明治時代頃から、今の丸型の漆器に変わったという。
さらに、奈良時代の開湯といわれる古湯「玉造温泉」も名物で、今も歴史深い、落ち着いた趣を醸し出す高級な佇まいで人気を博している。前述の「出雲風土記」にも登場しており、神の湯と言われている。江戸時代には松江藩主の湯治場にもなっており、「湯之介」という温泉を管理する役職まであったという。 |
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