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【Vol.8】新ファンド誕生。「街なか居住再生ファンド」とは?

都市の中心に遊ぶ閑散とした駐車場や、シャッターを閉めた商店街。そんな負の財産を持つ街を再生させるには、定住人口を増やすことが大切だという。人が増えれば商業施設、文化施設などが充実した街へと好循環していく。今、その対策に国が乗り出した。
寂れた過去の街に再び人を呼び戻す。地方都市の再生をサポート
都市部では景気回復の呼び声もあがっているが、地方都市ではまだまだ苦戦している状況だ。閉店を余儀なくされた商店がシャッターを閉めた商店街、いわゆるシャッター通りと呼ばれる状況も少なくない。このような地域では人口が低密化し、公共・商業施設の不備が起こって住環境の低下を招くといった悪循環となっている。

一時期は活発だった都市を再生させるためには定住人口の確保が必至だ。人が増えることによって街は確実に活性化する。そこで、このような都市の住宅建設事業に国が出資するという画期的なシステムが生まれた。

その名も「街なか居住再生ファンド」である。平成17年度の国土交通省の予算で創設された新しい助成制度で、民間の再開発事業や住宅建設事業に国が出資することによって、地方都市の活性化を図るのが目的だ。

定住人口が安定していれば、商店街も活況である
仕組みを説明すると、例えば地方都市の中心部に50戸程度で総事業費10億円のマンションを建てる場合、3割を限度に国が出資する。基金は外郭団体である「社団法人 全国市街地再開発協会」に置き、不動産や金融の事務経験者で構成する運営委員会が出資するかどうかの審査を行う。基金からの出資分は信託銀行に預けた上で、賃貸マンション建設のために作られる特別目的会社(SPC)に出資。 賃貸料収入などで国は平均4〜5%の配当を受け取り、5年後に出資分は一般投資家に売却する。

この「街なか居住再生ファンド」は平成17年6月から施行されたため、まだ実績は少ないが、全国各地から多くの問合わせが寄せられているという。


不動産証券化によって生まれた新たな支援システム
ここで注目したいのは、国が出資という形で資金助成を行うのは、戦後の住宅政策の中では初めての試みだということだ。昨今の不動産投資ファンド(J−REIT)の人気で投資法人の活発な設立にも目を見張るものがあるが、このように国がファンドを設立した背景には、不動産市場と金融市場が密接化してきたことによる理由も大きいのではないだろうか。

「街なか居住再生ファンド」によって建設された賃貸住宅などが、将来、一般投資家によって支えられていくことを前提にしていることも見逃せない。

うまくいけば、自分たちの街を自分たちの資金で運営し、そして配当を受け取ることができるこの図式は、地元の一般投資家にとって魅力的な金融商品になるだろう。しかし、地域活性化、再生化を大儀としたファンドであることを忘れてはならない。

地域に賃貸マンションを建設するだけでは地域再生は望めない。単なる住宅建設費の融資を受ける感覚ではなく、地域活性のためのスキームをしっかりと確立させた上での利用を願いたいものだ。


【地域ファンド方式】
一定地域を対象として、街なか居住再生ファンド及び地方公共団体等の資金を信託し、信託会社が対象事業に対して出資を行う。ただし、街なか居住再生ファンドが信託する金額は、信託される資金総額の50%を超えないものとする
【地域ファンド方式】

【直接支援方式】
地方公共団体が、対象事業に対して独自の助成を行う場合に、街なか居住再生ファンドの資金を信託し、信託会社が対象事業に対して出資を行なう
【直接支援方式】

情報出展:社団法人全国市街地再開発協会
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