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【Vol.17】降るような星空と、癒しのサウンドが別世界へ導く

2006年末、日本橋に白いドームが突如現れた。「日本橋再生計画2006−2007」のプロジェクトの一環として登場した期間限定のプログラム、「日本橋HD DVDプラネタリウム」だ。500万個の降るような星空と幻想的なサウンドが、非日常の空間を創り上げている。そこから発信されるメッセージとは?
街の活性化と、新たな魅力の創造を目指した再開発プロジェクトが贈るエンターテイメント企画
メガスターIIが映し出す無数の星と南極のオーロラ 「日本橋再生計画2006−2007」は、三井不動産(株)(本社:東京都中央区)と官民地元が一体となって推進している都市再生プロジェクトだ。「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をコンセプトに、街の活性化と新たな魅力の創造を目的としている。このプロジェクトの一環として計画されたエンターテイメントの一つが三井不動産(株)、TOKYO FM、ぴあ(株)主催による「日本橋HD DVDプラネタリウム」だ。

このプラネタリウムの星空を飾るのは、プラネタリウム制作の第一人者、大平貴之氏だ。子供の頃から、数々のプラネタリウム作成に取り組み、個人開発では前例をみないレンズ投影式投影機「アストロライナー」を完成。その後、恒星を100万個から500万個まで投影可能にした「メガスターII」の開発に成功。プラネタリウム作りに情熱を傾け、その道を極めた大平氏は言うなればプラネタリウムの「職人」である。

江戸時代、日本の政治・経済・文化の中心だった日本橋には、今もなお老舗が数多く残っており、職人の伝統が受け継がれている。日本橋はいわば「職人の街」とも言えるだろう。「日本橋HD DVDプラネタリウム」の企画が誕生した背景は、そのようなところにもあるようだ。

「これからの日本を、そして東京を元気にすべく、この日本橋の地を起点に、どんな活動ができるかを考えました。テーマは『JAPAN VALUE』。古きより受け継がれてきた日本の価値を再発見し、新たな価値を創造していきたい、その価値をより多くの人達の心を動かすエンターテインメントとして発信していきたい、という想いが、この度プラネタリウム創設へと昇華しました」 (日本橋HD DVDプラネタリウム 広報)


世界の星空と癒しのサウンド「星空の贈りもの」と、100億光年を旅する「宇宙へのパスポート」
プラネタリウムは直径18mのドーム型の白いテントで、客席数は200席。360度にぐるりと配置された49個ものサラウンドスピーカーが、臨場感たっぷりの音響効果をもたらす。中央には、大平貴之氏が開発した500万個の星空を投影できるという世界最高峰のプラネタリウム装置「メガスターII」が鎮座し、降るような星空を再現する。

上映プログラム「星空の贈りもの」と、宇宙旅行をバーチャル体感できる「宇宙へのパスポート」の2本をご紹介しよう。 「星空の贈りもの」では、メガスターIIが作り出す、夜のしじまに吸い込まれそうなリアルな星空と、穏やかなヒーリングサウンドが、心地よく体を包み込む。また、大平氏自らがナビゲーターとして、世界の夜空を案内する。打ち寄せる波音しか聞こえない南の島で南半球の星を眺め、チベットの高山では、深々と降る雪と静寂の夜空。そしていつしか、オーロラで彩られる南極の夜空へと導かれる。神秘的な光と音の空間だ。

一方、「宇宙へのパスポート」は、二部構成となっている。第一部は「宇宙への誘い」。日本で唯一の宇宙航空開発・研究を行う機関、JAXA(宇宙航空研究開発機構)主催の「宇宙連詩」を、声優の山寺宏一氏と、歌手の坂本美雨氏が朗読している。

「宇宙連詩」とは、詩人の大岡信氏が日本の伝統文化の連歌や連句をイメージし発展させて生まれた、詩によるコミニュケーションの手法だ。前の人が詠んだ詩の中から、言葉や文章を引用したり、別の言葉に置き換えたりして、次の詩を構成しながら5行詩と3行詩を交互に繰り返していく、詩のリレーである。

JAXAは、 2006年10月〜2007年3月の半年間をかけて全24詩の宇宙連詩を完成させた。インターネットによる一般公募を主に、宇宙飛行士の山崎直子氏、詩人の谷川俊太郎氏や新藤涼子氏なども寄稿し、それぞれの宇宙に対する思いや神秘を詩に託している。そして、いつまでも世界の人々に引き継がれていくように、詩を収録したDVD を2007年12月末頃、日本人宇宙飛行士が長期滞在する予定の国際宇宙ステーション「きぼう」に保管するとのことだ。
かけがえのない地球。100億光年の宇宙を旅しても、いまだ地球と同様な生命が存在する星は見出せていない

第二部は、「宇宙へのパスポート」(原題:Passport to the Universe)。 2000年にニューヨークの自然史博物館付属のヘイデンプラネタリウムで公開され、4年間で200万人を動員した大好評のバーチャル宇宙旅行のコンテンツだ。アメリカ版では、俳優のトム・ハンクスのナレーションでも話題を呼んだ。日本版では山寺宏一氏がナビゲートする。 バーチャル宇宙空間は、 NASAと、自然史博物館の研究により、ハップル宇宙望遠鏡などによる最新の宇宙観測データに基づき、現在知りえる限りの宇宙空間を再現したCGにより構成されている。その詳細なデータも一見の価値がある。

今、私たちが夜空を見上げて見える星は、広大な宇宙のほんのひと握りのものにすぎない。人に見えるものが全てではないということを星は教えてくれる。はるか過去の光である星空の神秘に癒されながら、宇宙の住人としての謙虚さも忘れずにいたいものだ。

「日本橋HD DVDプラネタリウム」は、都営地下鉄銀座線「三越前」駅のA6出口を上がってすぐ、三井第三別館跡地で期間限定にて開催される。(2007年6月30日まで)
取材協力・資料提供/
日本橋HD DVDプラネタリウム
JAXA 宇宙連詩HP http://iss.sfo.jaxa.jp/utiliz/renshi/
三井不動産HP 日本橋コミュニティ
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