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【Vol.20】今、東京の地下がアツイ!

今、東京の地下が盛んに活用され始めている。かといって地下帝国を建設しているわけではないのだが、なぜだか、地下の世界と聞くと興味津々、妙に興奮してしまうのはなぜだろう。都内の地下で進行中の高速道路や地下鉄のプロジェクトも、2007年末から2008年に続々と開通する。また「大深度地下」といわれる深い地底では、新たな地下利用法も定められた。
今、東京の地下の現状はどうなっているのだろうか?早速探ってみよう。
東京の地下30mを走る首都高速中央環状新宿線
東京の地下に新しく登場する、「首都高速中央環状新宿線」。JR山手線の外側、山手通り(都道環状6号線)の地下で今、建設工事が急ピッチで進められている。2007年12月に開通するのは、目黒区青葉台付近から北上し、板橋区熊野町で高速5号池袋線に接続する延長11.0km。そのほとんどがトンネル構造(名称:山手トンネル)となっている。

新宿線は「高速3号渋谷線」、「高速4号新宿線」および「高速5号池袋線」に接続するため、地上の渋滞緩和と各地へのアクセスがスムーズになると期待されている。また新宿線に設けられた6ヵ所の出入口を利用することによって、渋谷―新宿―池袋の各副都心間が便利に行き来できるようになる点も「新宿線効果」といえるだろう。開通は2007年12月22日16時を予定している。
首都高速中央環状線(赤い部分が「中央環状新宿線」)


期待される大きな新線効果。東京メトロ「副都心線」開業
「東京メトロ副都心線」路線図イメージ
渋谷−新宿―池袋といえばもうひとつの話題は、2008年6月開業予定の「東京メトロ副都心線」だ。こちらはJR山手線の内側、明治通り地下で工事が進められている。開通すれば3副都心間が便利になるだけでなく、東武東上線・西武池袋線、将来的には東急東横線とも直通運転し、埼玉方面から横浜中華街までを直結する。ビジネスでも観光でも利用される魅力的な路線になりそうだ。

左図が路線図イメージだが、「池袋駅」では丸ノ内線・有楽町線、JR山手線・埼京線、東武東上線、西武池袋線、と連絡するほか、「東新宿駅」では都営大江戸線と、「新宿三丁目駅」で丸ノ内線・都営新宿線、「明治神宮前駅」では千代田線と連絡する。

また「渋谷駅」では銀座線・半蔵門線・京王井の頭線・JR山手線・埼京線・東急田園都市線・東横線と連絡する。さらに東急東横線とは、平成24年度を目途に相互直通運転を行う予定もあり、埼玉県西南部方面から都心経由、横浜方面に至るまでの広域的で大きな新線効果が期待されている。

地下鉄に「地下高速道路」─文字通り、地上の繁栄を支える縁の下の力もちだ。

副都新線 縦断面図


東京の地下に、パルテノン宮殿出現?
右の写真は、一見するとパルテノン宮殿かエジプトの宮殿の内部のようだが、実は重量500tの柱が59本もそびえる地下のマンモス水槽である。あふれそうになった首都圏の中小河川の洪水を
地下に取り込み、地下50mを貫く総延長6.3qのトンネルを通して江戸川に流す「首都圏外郭放水路」の心臓部(第1立坑・調圧水槽)だ。

地下鉄や高速道路が市民生活の便利さを支えるライフラインだとしたら、こちらは災害から暮らしを守るためのライフライン。この
水槽から14,000馬力のガスタービンエンジンで毎秒200tの水を吸い上げ、江戸川に流す仕組みになっている。

洪水に強い都市づくりために、首都・東京の安全を支える地下の排水ネットワークは、地下鉄や地下高速道路と同様、都市生活に欠かせない重要な役割を担っている。ちなみにこの地下パルテノン、予約をすれば見学も可能だ。ただし豪雨後や台風後などは水でいっぱいになることがあり、見学が一時中止になるので、ご注意を。
重量500トンの柱がそびえるマンモス水槽はまるで地底に現れたパルテノン宮殿/(撮影/西澤 丞)

※… 小型ジェット機(ボーイング737)のエンジンを改良したガスタービンエンジンを利用し、25mプール1杯分くらいの水量を1秒で排水する。


これからの地下開発は「大深度地下」へ
電気やガス、通信そして地下鉄、地下高速道路、地下排水路と様々なネットワークが錯綜し、許容量いっぱいの首都圏の地下。そこで始まったのが大深度地下開発だ。大深度とは、少なくとも40m以深の地下のことで、地上の土地所有者の権利とは切り離して考えられている。

2001年には「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(大深度地下利用法)が制定され、地下の無計画な開発を防ぐとともに、深い地下である大深度地下を有効に活用し、公共の利益となる事業が円滑に実施されるよう義務付けられている。

現在、大深度地下を利用する事業としては、前述の首都圏外郭放水路をはじめ、神戸市の送水管敷設事業、東京外環自動車道の延伸線(大泉JCT〜三鷹JCT間)などが計画されている。また現在の地下の開発状況からみて、今後東京に乗り入れる鉄道などの新線は、この大深度地下を利用することになるものと思われる。

都市の変貌は地上の建物に顕著に現れるが、足元の地下でもゆっくりと、しかし確実に変化を続けている。東京では「地価」の動向も気になるが、「地下」の動向にもしっかり注意を払っておきたい。
取材協力・写真提供/
東京メトロホームページ
http://www.tokyometro.jp/
国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所ウェブサイト
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/index.html
首都高速道路株式会社『東京トンネリックス』ウェブサイト
「首都高速中央環状新宿線 地底工事現場目的計画」より
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