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【Vol.21】世界の金融市場を揺さぶる「サブプライムローン」問題とは何か?

2007年の夏以降、世界の金融市場(株式・為替)が大変調をきたしている。日経平均は一時15,000円を割込み、為替も1ドル107円台の急激な円高をみせた。アメリカの国内問題であるはずの「住宅ローン問題」が、どうして世界の金融市場を揺るがしているのか。探ってみると驚くべき経済のグローバル化が見えてくる。
「サブプライムローン」問題発生の背景
アメリカでは、富裕層や信用力の高い層をプライム層、低所得者層や信用力の低い個人のことをサブプライム層とクラス分けして呼んでいる。「サブプライムローン」とはサブプライム層、つまり低所得者に向けた住宅ローンのことだ。

信用力が低いことから当然金利は高く設定され、利率10%になるケースもある。しかし当初の数年間は利率を低くしたり、支払いを金利分だけにしたりと借りやすくしている。この制度が受け住宅ブームに発展、アメリカの住宅ローン全体の約14%を占めるまでに拡大した。

だが、単なる「住宅取得ブーム」というわけではなかった。ローンの借り手にとっては、自分の取得した住宅価格が上がっている場合、住宅価格の値上がり分を担保に、新たな追加借入を受けることもできる。借り手の中には住宅の値上がりを期待した転売目的の人も多くいたといわれている。この住宅ブーム─実は「住宅投資ブーム」だったのだ。

ところが、2006年の後半あたりから、金利上昇と住宅価格の頭打ちになり、ローンが払えなくなった人が全体の約13%まで上昇した。これが原因で融資専門会社の資金繰りが悪化。経営破綻する企業が出始める。2007年3月には、サブプライムローンの大手会社ニュー・センチュリー・ファイナンシャルがニューヨーク株式市場(NYSE)上場廃止に追い込まれる事態にまで発展。融資専門会社への資金の貸し手である銀行なども影響を受け、融資に慎重になり始める。これがサブプライムローンが「サブプライムローン問題」となる発端だが、ここまではまだアメリカの国内問題でしかなかった。
世界を巻き込んだ出来事は、当初アメリカ一国の住宅ローン問題だった


証券化された住宅ローン、全世界の投資家に販売
次に、「サブプライムローン問題」の本質について見てみよう。融資専門会社は、融資したローンを証券化し、債権の形にして(或いは他の金融商品と組み合せて)世界中の金融機関や投資家に販売していた。魅力的な高金利に惹かれ、アメリカのみならず、ヨーロッパや日本の金融機関はこれを購入し、資金運用をした。また購入者の中には、世界中で株式投資を行って株価に絶大な影響力を持っていたヘッジファンドもあり、ローンの焦げ付きはこの商品を購入した世界中の金融機関を直撃した。その結果どのような事態が引き起こされたかを、チャートにし見ていくと以下のようになる。

「サブプライムローン」問題発生までのイメージ

「サブプライムローン」問題発生までのイメージ
日本で起こったバブル崩壊(住専破綻→金融不安→株価下落→景気低迷)と相似しているが、今回はローンが債権として金融商品に組み込まれ全世界で販売されたため、その影響が全世界に広がることになった。金融商品開発技術の進歩と経済のグローバル化の進展が図らずも弱点を露呈させた。


こうした事態が連鎖反応のようにグローバルに引き起こされ、サブプライム・ショックとなって金融市場を深い混乱に陥れたのである。


今もこれからも変わらない情報収集の重要性
日本経済新聞の記事の見出しを追っていくと、この問題の波及力と収拾の難しさがよくわかる。

【 7月20日 】  FRB議長、サブプライム問題「金融機関の損失12兆円も」
【 9月24日 】  サブプライム関連損失、最大23兆円に・IMF試算
【 11月22日 】  サブプライム損失、最大33兆円・OEDD報告


世界の金融関係機関は、サブプライムローンに端を発した損失が「12兆円→23兆円→33兆円」と日々増大することに警戒感を強めている。またアメリカ・ヨーロッパ・日本の政府・金融当局は、緊急利下げや金融市場への資金供給で事態の沈静化を図っている。
しかし、今後どこまで損失が膨らみ、新しい事態に発展するかどうかについては、今も予断は許さない状況だ。

そのような中、事後的にサブプライムローンを組み込んだ金融商品への格付け(リスク情報)がなされていなかった不備が指摘された。巨額損失責任をとって、アメリカの巨大証券会社のトップが次々に辞任する事態にもなっている。その一方で、サブプライムローンの危うさにいち早く気づいたある会社は、逆にサブプライムローンで利益を向上させ、会長は77億円という巨額ボーナスを手にしたという。

今回の問題を通じて、いつの時代もどんな金融商品であっても、賢い資金運用をするためには、周囲のムードに流されることなく、正確な情報と、先を読み取る力が大切なのだということが改めて思い知らされた。 「サブプライムローン」については、今後もまだまだ目が離せない。
参考文献など/ NIKKEI NET(日経ネット)
  YOMIURI ONLINE(読売新聞)
  CNN.co.jp
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