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【Vol.23】わずか半年で100万人を集めた、“鉄道ファン“の聖地

東京都千代田区神田にあった「交通博物館」が惜しまれつつ閉館したのが、2006年5月。数年の時を経て2008年10月、埼玉県さいたま市に「鉄道博物館」として装いも新たに生まれ変わったことは記憶に新しい。なんと開館わずか半年で入場者100万人を突破する大盛況を見せているという。人気の秘密をのぞいてみよう!
博物館としては破格!半年で入場者100万人突破
話題の博物館、「鉄道博物館」の入場者数が、開館からわずか半年で100万人を突破した。前身である交通博物館ができたのが、1921年。交通博物館時代の年間入場者数の最高記録は、1976年の83万人だというから、このペースは破格だ。ちなみに、日本最大の博物館である国立科学博物館の年間入場者数は、162万人(2005年)。これを超えて日本有数の博物館になる可能性さえあるのだ。
交通博物館時代に比べて、展示されている車輌は数倍になっている。都心の狭い敷地から解放され、展示スペースは拡大。延床面積は約28,200m2というから、東京ドーム2つ分以上だ。また、展示だけではなく、体験型の設備が多いことも人気の理由となっている。自分で鉄道の運転を体験できる鉄道シミュレータは、1日30名の人数制限もあるプラチナチケット。特に蒸気機関車D51(通称:デゴイチ)の運転が体験できるシミュレータは実際の運転席を使用しており、本職の運転手の練習にも使われるレベルだという。
パークゾーンにあるミニ運行列車も運転体験が可能(要予約)。運転司令室では、実際の列車の運行システムを目の当たりにできる


ヒストリーゾーンをめぐり、鉄道の世界を実体験する
これだけの車輌が一堂に会しているのは、この鉄道博物館だけ。2階から見下ろすとその偉容に驚かされる D51のシミュレータ以外にも、新幹線200系、山手線205系、京浜東北線209系、東海道本線211系のシミュレータがあるがどれも人気で、午前と午後に配布される整理券がないと利用できない。だが、他にも体験できる施設はある。屋外のパークゾーンには、253系「成田エクスプレス」・E257系「あずさ」「かいじ」・205系・209系・E231系・251系「スーパービュー踊り子」のミニチュアがあり、1周230mの軌道で運転体験ができる。ミニチュアと馬鹿にできない本格的なもので、ここではモニターを見ながら、鉄道運転システムを理解できる。

残念ながら整理券が手に入らず、シミュレータやミニ運転列車で体験できなかった場合でも、充分に楽しめる。メイン展示とも言える「ヒストリーゾーン」には、総計36両もの鉄道車輌が展示されている。

それぞれ、時代に合わせて展示されており、重要指定文化財に指定されている150形蒸気機関車(日本で初めて走った蒸気機関車)、初代1号御料車(皇族専用車両) をはじめ、初期の新幹線面影を遺す200系新幹線、鉄道ファンには「ゴハチ」の通称で親しまれるEF58形電気機関車など、圧巻の一言だ。ヒストリーゾーン2階から見下ろすと、その偉容が全貌できるところも楽しい。

またヒストリーゾーン2階には、全長75mの日本鉄道年表が展示されている。 さらにラーニングゾーンには、台車の分解・組立が体験できる「車両工場ラボ」、駅係員や車掌の仕事が体験できる「駅構内ラボ」、パソコンを使って楽しく車両などのデザインできる「デザインラボ」 がある。加えて、鉄道の原理を体験学習できる「原理・仕組み展示」で鉄道のディープな世界の知識を得ることもできる。


日本最大のHOゲージ、全長1.4km
エントランスを入って2階に上ると、日本最大の鉄道模型ジオラマがある。幅約25m奥行約8m、約200m2の地形模型の上に作られたHOゲージで、軌道総延長約1.4kmのレール上を最大20編成までの車両の走行が可能だ。当館の保有車両数は約600両、鉄道をテーマとしたHOゲージではもちろん日本最大である。ループ線やスイッチバックなども再現されており、スタッフが解説しながら15分程度の実演を見せてくれる。

また鉄道といえば「駅弁」も外せない。館内には2つのレストランが併設。かつての食堂車の代名詞「旅のレストラン 日本食堂」では、幻の賄い食「ハチクマライス」や、車内販売でおなじみのお弁当など、当時提供していたメニューを味わうことができる。もう一つのレストランの名は、食堂車を意味する記号を使って「TD」とこだわりを見せている。

鉄道模型の運転時間は1回15分ほど。照明の調整で一日の時間経過も表現される。観覧は先着順で無料
本館から離れたノースウィングには、東北新幹線「はやて」を模したミニシャトル列車(無料)で移動可能。こちらには、様々な催し物が開催される「鉄道ホール」の他に、小規模な展示に使われるノースギャラリーが用意されている。

開館から半年を過ぎ、初期の話題性は失われているが、それでも来場者のペースは鈍っていない。男の子は、何らかの形で、幼い頃に一度は鉄道に興味を持つという。鉄度博物館で一番多いのは、目を輝かせた子供と一緒に夢中になっているお父さんだ。鉄道博物館は、鉄道マニアだけではなく、日本を代表する「男の子のための博物館」 なのかもしれない。

※…… 鉄道模型の規格の一つ。基本的に1/87のサイズのものを指す。(当館では、在来線1/80、新幹線1/87)
取材協力・写真提供/鉄道博物館
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